台風の好きな人はいないけれども
特に私は心細さからくる怖さの思いが今なおトラウマになっている。
今は夫、成長した娘も側にいるのだが、心は何故かあの当時に
フラッシュバックして萎縮する。
結婚して以来仕事上の関係から
台風が接近してくると夫は夜中構わず会社に待機させられる。
幼き子供2人を守るのは親になったばかりの私。
古い家屋の借家は吹けば飛ぶような小さな住まい。
ガラス戸はきしみ、音はより大きく聞える。停電ともなれば子供は泣き叫ぶ。
そんな時若かった心だけ泣ききしんだ。
台風の置き土産は雲の合い間の青空
澄み切ったうぐいすの声と、風の吹く向きが分かるほどの倒れかけた草木と落ち葉。