2007年 03月 27日
ことば
先日は何とも頭の下がる話を聞いた。
返す言葉なく、一呼吸も二呼吸も間をおいて考えさせられた。
その方の96歳の母親は、病院と施設の皆さんに手厚い介護のお世話になっている。
勿論家族の温かい支えがあっての事。
その娘さんはベッドの中だけの生活を見るにつけ、いつも一言告げると言う。
『おばあちゃんの用事は終わったのではないのよ。
家族皆が幸せに暮らせるように毎日祈っていてね』
この言葉を聴いて11年前の父との会話がよみがえった。
病気療養中の父はベッドから車椅子に移るだけでも皆の手を借り時間を要した。
中庭の空気を吸うだけでも気分が晴れるからと誘っても
何故か車椅子に移るのをイヤがった。
季節よい晴れた日は、柔らかな風を肌で感じてほしいと思う一念にしろ
「小さな部屋のベッドの上で天井を見るだけの生活はイヤじゃろー」と私。
「そんな事はないでー。それなりの喜びも夢もある」との父の言葉の大きさに
衝撃を受け自分の未熟さを恥じた。
去った今も時として思い返すと、その言葉に勇気づけられ力をもらっている。
とかく若い活気ある人はそう見がちであるが、老いて長年病気と向かい合った状況に置かれ、自分を受け止められた者のみに発せられる意味深い言葉なのかもしれない。
やがて皆、老い衰える過程は必ずやってくる。
返す言葉なく、一呼吸も二呼吸も間をおいて考えさせられた。
その方の96歳の母親は、病院と施設の皆さんに手厚い介護のお世話になっている。
勿論家族の温かい支えがあっての事。
その娘さんはベッドの中だけの生活を見るにつけ、いつも一言告げると言う。
『おばあちゃんの用事は終わったのではないのよ。
家族皆が幸せに暮らせるように毎日祈っていてね』
この言葉を聴いて11年前の父との会話がよみがえった。
病気療養中の父はベッドから車椅子に移るだけでも皆の手を借り時間を要した。
中庭の空気を吸うだけでも気分が晴れるからと誘っても
何故か車椅子に移るのをイヤがった。
季節よい晴れた日は、柔らかな風を肌で感じてほしいと思う一念にしろ
「小さな部屋のベッドの上で天井を見るだけの生活はイヤじゃろー」と私。
「そんな事はないでー。それなりの喜びも夢もある」との父の言葉の大きさに
衝撃を受け自分の未熟さを恥じた。
去った今も時として思い返すと、その言葉に勇気づけられ力をもらっている。
とかく若い活気ある人はそう見がちであるが、老いて長年病気と向かい合った状況に置かれ、自分を受け止められた者のみに発せられる意味深い言葉なのかもしれない。
やがて皆、老い衰える過程は必ずやってくる。
by cyaa8989
| 2007-03-27 07:31